長くウワサされ続けてきたミラーレスのフルサイズ一眼を、ソニーが10月16日に2機種発表した。
機種名は「α7R」と「α7」だ。カメラファンであれば、誰しもいつかミラーレスのフルサイズ機が登場
するだろうと思っていただろうから驚きは少ないかもしれない。だが確実に、カメラ史に名を残す
機種になる。
これまでソニーのミラーレス(Eマウント)には、NEXの名前が付いていた。それがこれ等の機種
から一眼レフ機(Aマウント)と同じ「α」を付けるのだと言う。「α」はコニカミノルタ時代からの伝統
の呼称であり、そこにソニーの新機種への意気込みが感じられる。
ただし、ソニーの一眼での位置づけは、「α7R」がAマウントの「α99」 の下、「α7」がAマウント「α77」
(APS-C機)の下の位置づけだと言う。ちょっと面倒で理解に苦しむヒエラルキーだ。
α7Rとα7の違いは何かというと、流行りのローパスフィルター無しと有、CMOSセンサーの画素数
だ。α7Rは、ローパスフィルターレスで有効約3,640万画素。α7がローパスフィルター有で有効約
2,430万画素である。
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ボディデザインは、α7Rとα7ともにほぼ同じである。写真で見る限り機種名のロゴが違うくらいだ。
NEX系の四角いボディデザインからファインダーのある中央部が盛上った一眼レフに近いデザ
インになっている。
両機の共通するセンサー以外の主なスペックは以下のとおりだ。
〇ISO感度:静止画撮影時 ISO100-25600(拡張ISO50)、AUTO(ISO100-6400)
動画撮影時 ISO200-25600相当、AUTO(ISO200-6400相当)
〇動画:AVCHD規格 Ver.2.0準拠/MP4
〇ファインダー:1.3cm(0.5型)電子ビューファインダー(XGA OLED)
約0.71倍(50mmレンズ、無限遠、視度-1mディオプター時)
〇液晶モニター:3.0型ワイドTFT駆動、921600ドット、チルト機構
〇WiFi:搭載
〇ボディ寸法:約126.9×94.4×48.2mm
〇ボディ重量:α7R 約465g、α7 約474g バッテリーとメモリー込み
さて、このスペックの中で驚くべきは、小さくて軽量なことである。フルサイズでもミラーレス化によ
ってここまで小型・軽量化できるのは、流石はソニーと言うべきだろう。
キヤノンの一眼レフ5D Mark Ⅲの大きさは、152x116.4x76.4mmで重量は約950g。ニコンD800は、
146x123x81.5mmで約1000gもある。ソニーα7R、α7の2機種はこの半分しかないのだ。
フルサイズ一眼レフの所有者の中には、大きさと重さに悩むユーザーは多い。そこにこの2機種
が発売される意味は大きい。世界のフルサイズ一眼の市場を独占しているキヤノンとニコンの
牙城を切り崩せるかもしれない。また、フルサイズ一眼を大きくて重いと敬遠していた人にも訴求
するだろう。
ただ、個人的には少し疑問に思うとろがある。それは小さ過ぎないかと言うことである。実は私が
所有しているマイクロ4/3のGH3(132.9x93.4x82 mm約550g)より小型で軽量なのだ。GH3よりフル
サイズ機なのに小さいと言うことは、グリップに影響が出ていると思うのである。
実機にはまだ触っていないので、ハッキリしたことは言えないものの、価格COMの掲示板にもグ
リップに対する不満が若干出ている。フルサイズ一眼であれば、大きなレンズを付けることだって
多いはずだ。果たしてそれで、バランスは大丈夫なのかと思うのである。この点については、発売
後、実機に触ってレポートしたい。
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「デジカメ生活を見る」
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