2021年11月30日火曜日

パナソニックの有機センサーに期待する


有機センサーは、ゲームチェンジャーだ。この言葉を聞いたのは何年前だっただろう。直ぐにでもLUMIX機に搭載されるのではないかと大いに期待していた。ところが、2019年あたりから、有機センサーの名を聞かなくなった。開発断念か?と思っていたら、今年の10月末に再び表舞台に出てきた。


しばらく忘れていたパナソニックの有機センサー開発。それが、10月27日~29日に開催された「第4回 4K・8K映像技術展」で展示されのである。2019年にパナソニックは半導体事業を売却した。これに伴って有機センサーの開発も断念したのだろうと勝手に思っていたのである。しかし、再びその名を聞いてとても嬉しい。しっかり研究開発を続けていたのである。

「第4回 4K・8K映像技術展」では、有機センサーを搭載した8Kカメラで、映像をリアルタイムで撮影して見せるデモンストレーションがあったと言う。これは、有機センサーがほぼ完成していることを意味しているのではないだろうか。


【過去の開発例】


実は、パナソニックの有機センサーは、2018年の秋に一度完成している。世界初の有機センサーカメラで、AK-SHB810(8Kマルチパーパスカメラ)という(左図参照)。2019年の秋から受注生産するとしていたものである。

その後の話が全くなかったので、実際の受注があったかどうかは不明。何かの理由で、中断したのかもしれない。





【2021年秋時点の現状】

そこから丸々2年。コロナ禍と言う厳しい状況の中でも、パナソニックがしっかり有機センサーの開発を続けていたことは嬉しい。有機センサーは、ゲームチェンジャーになる。この言葉を信じて、LUMIX機を愛用し続けている一人として、その実現を早く見たい。


左の画像は、「第4回 4K・8K映像技術展」のパナソニックブースに展示されていたもの。そして、実際に実写もされていて、8Kテレビにその内容が写されていたと言う。

間違いなく有機センサーは、ほぼ完成している。パナソニックブースの内容を報じた「MONOist」には、パナソニック担当者の話を次の様に紹介している。

「有機CMOSセンサーは、8Kレベルの高解像を備えつつダイナミックレンジを一般的なCMOSセンサーの4倍とし、グローバルシャッターも有機薄膜に印加する電圧を調整して光電変換効率を制御する独自の光電変換電圧制御技術によって実現できる。学会発表の段階ではあくまで研究成果だったが、実用化に向けた技術開発が大きく進展していることから、映像機材などの展示が行われる4K・8K映像技術展で技術を訴求すべく出展を決めた。」
この出展理由からも、現時点でほぼ実用化されているのだと思う。


【次世代技術への言及】

更に「MONOist」には、パナソニックが現時点の有機センサーに満足せず、次世代の技術開発を行っている事を紹介している。それは次のとおり。「なお、有機CMOSセンサーの次世代技術としては、1画素内に高感度セルと高飽和セルという2つの感度検出セルを設ける超WDR技術がある。これによってダイナミックレンジは、有機CMOSセンサーの100倍、一般的なCMOSセンサーの400倍が可能になる。」

何と現時点の有機センサーの100倍、一般CMOSの400倍とは、想像を超えるダイナミックレンジの数値である。まさに、圧倒とはこの事だろう。恐るべき次世代の有機センサーである。パナソニックには、しっかり研究開発進め一日も早い実用化を望みたいものだ。


【実用化への道・ハードル】

「MONOist」には、実用化の時期は未定としながら、パナソニック担当者の「今回の展示会での反響を踏まえて、実用化に向けた開発をさらに加速させたい。」との発言を紹介している。

これが現時点で判っているパナソニックの有機センサー開発の現状である。これ等から、すでに現時点で、第一世代の有機センサーは開発されていて、実際の機種にどう登載するのかを検討しているように思える。

しかし、実機への搭載には、消費電力、発生温度のコントロール、耐久性、製造コスト、製造ラインなど、いくつもの超えるべきハードルがあると思う。また、パナソニックは大企業なので、このセンサーを単にカムコーダーやLUMIX機に搭載するだけのことを考えているわけではないだろう。幅広く販売する方向を検討していると思う。

ただし、自社の実機での性能証明をする必要がある。まずは、ゲームチェンジャーとしてカムコーダーや実機に搭載して、市場シェアーを確保し、そして幅広く販売する方向を探るのではないだろうか。

有機センサーの開発は、パナソニックがやっているだけではない。あのセンサー製造の巨人ソニーも進めている。また、表には出ないが、センサー関連会社はどこもやっている事は間違いない。ぼやぼやしていると、先を越されるので、パナソニックには実用化への道をまっしぐらに加速させて欲しい。

パナソニックは、有機センサーの特徴を、グローバルシャッター、広ダイナミックレンジ、電子ND機能(フイルター)の3点を上げている。LUMIX機に搭載されれば、静止画、動画共に画期的でかつ理想的なカメラとなって、市場シェアーを取れるゲームチェンジャーになるはずである。大いに期待して待ちたい。


【動画編】

同じ内容で動画でしゃべってみました。時間のある方は、ご視聴ください。


0 件のコメント:

コメントを投稿