LUMIX機には、昔からEXテレコンという便利なズーム機能が付いている。EXズームと言っていた時代もあるが、現在はEXテレコンとなっている。野鳥撮影に、使った方も多いのではないだろうか。実は、半年ほど前に、便利な使い方があることに気付いたので、紹介してみたい。
EXテレコンは、カメラ内で画素数を下げJPEG画像を切り取る事で、ズームアップするもの。LUMIXでも機種が異なると、操作性やズーム倍率が異なるので、GH5とG9に限定して説明したい。まず、紹介したい便利な使い方は、下記の3点である。
- FnボタンにEXテレコンを設定(登録)する。
- RAW+JPEGで撮影する。
- 動画で使う(FHD:1920×1080で2.7倍の望遠)。
1.FnボタンにEXテレコンを設定(登録)する
Fnボタンは、よく使う機能を登録して使うもの。GH5とG9には、沢山のFnボタンが用意されているので、自分の好みの場所に設定すればよい。
設定したい場所のFnボタンを長押しすると、設定画面が出てくるので、画面を送り「EXテレコン」を探し選択する(GH5は7/19の下、G9は8/18の中程にある)。設定したFnボタンを押すと、下記の画面が表示される。
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この画面で、使いたいメニューを選ぶ。 写真の場合は、まず記録画素数を決める必要がある。 画面の案内にあるように、「DISP」ボタンを押して設定する。 |
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「DISP」ボタンを押すと、左のように記録画素数の設定画面になる。 設定は、L、M、Sだが、テレコンにするには、MかSを選ぶ。 |
写真の場合、Lで1.4倍、Sで2.0倍の倍率になる。画像サイズは、アスペクト比で変わる。私がよく使う3:2の場合は、以下のとおりである。他のアスペクト比の場合は、取説などで確認して欲しい。
アスペクト比3:2の場合
設定
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画像サイズ
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L(17M)
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5184×3456
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EX M(9M)
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3712×2480
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EX S(4.5M)
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2624×1752
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なお、EXテレコンには、設定画面のとおり「ZOOM」と「TELE CONV.」の2つがある。「ZOOM」は、ズーム倍率を変える事ができる方法だが、別途Fnボタンにズームを設定(登録)する必要があり、あまりメリットがない。「TELE CONV.」は固定倍率で使う方法だが、使い勝手がよい。よって、「ZOOM」については説明を省略(詳しくは取説参照)。
動画の場合は、別途説明するが、ちなみに4Kで1.4倍、FHDで2.7倍にもなる。このように、FnボタンにEXテレコンを設定しておくと、写真でも動画でも直ぐに使えるので、かなり便利だ。
2.RAW+JPEGで撮影する
以前は、EXテレコンを使う場合、RAW記録を入れると、EXテレコンの設定ができなかった。つい数ヶ月前にG9を操作していて、EXテレコンでもRAW記録ができていたので、そこで気付いたのである。いつから?どの機種から?かは不明。
GH5やG9では、設定可能なのでRAWで記録しておく事をすすめたい。ただし、単独のRAWでは設定できない。あくまで、RAW+JPEGに設定しておく必要がある。
左の画面はG9のもの。 クオリティでRAW+JPEGを選択しておけば、RAWでも記録できる。 |
撮影した画像のRAW画像を、RAW現像ソフトの「SILKYPIX」で開くと、EXテレコンの仕組みが理解できる。また、自在に自由な任意のサイズで現像することも可能なのである。
それは、RAW記録は、EXテレコンで撮影した範囲だけでなく、センサーの大きさで画像を記録しているからである。「SILKYPIX」で開くことでそのことを知ることができる。その手順を順次示す。
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左の画像は、EXテレコンで撮影した写真を「SILKYPIX」で開いたもの(左側のフォルダーツリーはカット)。 写真データ アスペクト比:3:2 記録画素数:EX M(9M) 画像サイズ:3712×2480 |
上の画像では、EXテレコンで撮影した写真なのかが分らない。そこで、「パラメーター・コントロール」内で「トリミング」のボタンを捜す。下の画像を参照。赤枠がトリミングボタンである。
トリミングボタンを押すと、下の画像のように「トリミング領域設定」のコントロールが表示されるはずだ。
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そこで、サイズ蘭をみるとEXテレコンで設定した写真の大きさが表示されているはずである。 例では、3712×2480が表示されている。これは、3:2で記録画素数をEX M(9M)で撮影したサイズである。 もし、このサイズが5184×3456(3:2)なら、EXテレコンを使わなかった事を意味している。 |
EXテレコンで撮影した写真(3712×2480)でも、「SILKYPIX」で開いた状態は、画面一杯に表示されている場合がある。RAWで撮影した領域を見るには、左下にある表示倍率のコントロールを操作して、倍率を下げる。
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すると、左のような画面になるはずだ。 赤枠がRAWで撮影した領域(センサー範囲)であり、黄枠の範囲がカメラが切り出したJPEGの範囲(EXテレコン)である。 |
きっと、これを初めて見る方は、驚くことと思う。これで、RAW画像とEXテレコンの関係が理解できるのではないだろうか。
このRAW画像(4:3で撮っている)は、いつでも好きなようにJPEGに現像できる。サイズ変更(倍率変更)はもちろん、アスペクトの変更も可能なのである。
サイズ変更、アスペクト比の変更は、「トリミング領域設定」のコントロール内で自由に行うことができる。なお、黄枠の角をマウスでドラッグすることでも可能である。
赤枠内(RAW画像範囲)であれば、サイズ変更、アスペクト比の変更が自在なので、ぜひ押えておきたいポイントだ。これが、RAW+JPEGで撮影するメリットである。知らなかった方は、一度試していただきたい。RAWがどう言うものか、知っている方にとっては当たり前のことだが、知らなかった方の参考になればと思う。
次回は、動画で使う(FHD:1920×1080で2.7倍の望遠)をアップする予定。
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