ニコンDfが11月28日に発売された。早速、感触を確かめるため家電量販店で触ってみた。
写真で見た第一印象は、イカツイ、ガンダム、グロテスクという感想を持ってしまったものの、
いざ実機に触ってみると、レトロな佇まいに心惹かれるものがあった。
カメラ雑誌の各誌でもプロの方々は、かなり誉めていて欲しい一台に入れている人が多い。
確かに、これまでにない一眼レフであり、フイルムカメラを知っている人ならだれでも心惹か
れるだろうと思う。
いざ、触ってよく見てみると、ちょっとダイヤルやボタンが目立って、違和感があったシルバー
色だが、単なるシルバーではなくちょっとアメ色が入っていて、なかなか上品なのだ。「いいじゃ
ない!」という言葉がついて出た。
次にグリップ。Dfのグリップはかなり小振りで、鷲づかみタイプではない。指を斜めにかける
タイプだ。よって大きな望遠レンズを手持ちで振りまわすカメラではない。やはりスナップ用途
なのだ。そう考えればこのグリップは理解できるし悪くないと思う。
DFの特徴は何と言ってもその操作性だ。各種の主要な設定をダイヤルとボタンでやるように
なっている。いじってみると、これがなかなか面白い。ISO感度、絞り、露出、シャッタースピード、
撮影モードがすべてダイヤル操作なのだ。
操作していると、昔触ったフイルムカメラを思い出した。フイルムカメラをいじっている気持ちに
なった。ちょっと回しずらい電源スイッチなども、昔のカメラも回しずらいところがあったとか、そ
んなところまで思い出させる要素が詰まっていた。
その中で操作がわからなかったものが撮影モードダイヤルである。力を入れて回しても回らな
い。押したも押しこめない。しかたなく店員さんに声を掛け聞くと、引き上げて回すのだと言われ
ビックリ。確かに上に引き上げると回った。そんな操作も昔のフイルムカメラにあったかもと思い、
笑ってしまった。
シャッターを切ってみた。するとちょっと堅い音がした。音と切った後のボディへの振動がちょっ
とソニーのα7と似ていると思う。固い壁に当たるような感じがした。ちょっと好みではないが、
まあ許容範囲だろう。
それにしても、いじればいじるほど、触れば触るほど、面白さにハマる。機械としてのカメラを操
作する楽しさを味わうことができる。素人がこの操作を遠目に見れば、きっと操作している人に
敬意を払うだろう。そして、素人には絶対使えないカメラである。
短時間であったが、Dfに触って思ったことがある。それは、Dfで撮った写真の写りが、少々悪く
ても、カメラが悪い、性能が悪いではなく、「お前が悪い」「お前の操作が悪い」とカメラに言われ
るだろうということである。それだけ、Dfには高い存在感がある。
触っていて、危うく私の「欲しいモード」のスイッチが入りそうになった。現在2つのマウントを使っ
ているので、そこは自分に言い聞かせた。「買わない、買えない」と。
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「デジカメ浪漫を見る」
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