2015年12月13日日曜日

SLIK 3WAY雲台 SH-837 HD レビュー


10月初め、SLIKの3WAY雲台 SH-837 HDを買った。SH-837 HDは、動画対応の3WAY雲台である。最近のデジタルカメラの機能に合わせ、静止画と動画の撮影ができるように開発されたものだ。これを買おうと思った時、使い勝手を知りたくて、ネット上でレビューを探したが、検索に引っ掛からなかった。ハッキリ言うとあまり売れていないのかも知れないが、現段階での私の使い方にマッチしているので、レビューを書く事にした。

SH-837 HDの上に装着したGX8+Eos400mm/F5.6』

私の買った雲台は、これで4個目になる。カメラ自体を選択するのも大変だが、周辺機器を選ぶのも結構大変である。

約10年前、デジカメを初めて買う時、量販店のカメラ売り場で、大きな一眼レフや三脚などに触りつつ、たとえカメラに凝ったとしても、こんな大きな一眼レフや三脚など絶対に使わない、買わないぞと冷ややかに見ていた事を思い出す。

それが今や車には、カーボン三脚、小型三脚、ミニ三脚、1脚、ビデオ雲台、自由雲台等が積まれ、防湿庫にはフルサイズ一眼レフを筆頭にマイクロ4/3機数台、コンデジ、交換レンズがゴロゴロしている。つい昔を思い出し、自嘲してしまう今日この頃である。

今回、SLIKの3WAY雲台「SH-837 HD」を買ったのは、次の3条件をクリアできると思ったからである。

1.動きモノを追う事ができるよう、動きに一定のテンションをかける事ができ、そのコントロールもできること。
2.大きいカメラやレンズを装着しても、構図を決め、ネジを締めてから、お辞儀をしないこと。
3.大きさと重量が持ち運びの負担にならないこと、かつ価格が安いこと。

簡単に言えば、野鳥の飛翔シーン撮りに使え、かつ風景撮りにも使えることである。実際に使ってみて、かなり満足度が高い。特に飛翔シーンが撮りやすくなった。

『雲台の詳細 1』(クリックで拡大)


『雲台の詳細 2』(クリックで拡大)



これまで使っていたビデオ雲台は、テンションが掛っていても調整できないタイプだったので、テンションが掛り過ぎて、自在に野鳥を追う事ができなかった。SH-837 HDは、テンションを一番緩めた状態での動きが軽く、自在にレンズを振る事が出来る。引っ掛かりもなく、実にスムーズに動かすことができる。上の写真のとおり、コントロールツマミは、ティルトとパンの2つがある。調整は、あまり細かくできないものの、野鳥を追うには一番緩めた状態が使いやすい。

私は、野鳥撮りの専門屋ではない。気になるものは、何でも撮る、何でも屋である。気になるものが多いので、野鳥の撮影中でも、急に風景を撮ったりする。そのため、三脚と雲台の間に、SILKのレベリングユニット(写真「雲台の詳細 1」を参照)を入れている。これで水平を出し、SH-837 HDで左右の水平を出しておけば、レンズを360度どの位置にパンしても、水平が保てるので、自在に何でも撮影できる。また、縦撮りも左右の水平を縦90度にセットすれば、360度どの位置にパンしても縦撮りの水平を保つことができるのである。

風景撮りに欠かせない2.の条件であるお辞儀をしない事は、どうかと言うと、ほぼ満足と言っておこう。通常のサイズのレンズであれば、全く問題ない。1Kgを超えるレンズの場合、角度によっては、少しお辞儀をするかもしれないが、大きく動く事はない。固定する締めつけ方式が安定度の高い「コマ締め」ではなく、「割り締め」なので、そこが残念なところである。

SH-837 HDの大きさは、高さが120mmで重量が1020gである。SILKの動画対応3WAY雲台では、一番大きいが、一般の3WAY雲台としては、中の大きめクラスと言えよう。価格は、希望小売価格が22,000円、実売では15,000円前後である。私は楽天で、これよりかなり安く買ったので、財布に優しい雲台と言えよう。

世の中には、先に挙げた1.と2.の条件をクリアできる優れた雲台が沢山ある。大型のビデオ雲台であれば、テンションのコントロールも自在にできる。また、最近は、ジンバル雲台やアルカスイス雲台も野鳥撮り用に人気がある。大型の大砲レンズを使うなら、大きくて、重くて、高額なこれ等の雲台が必須である。

しかし、私のように全重量が3Kgに満たないカメラとレンズを使うのなら、SH-837 HDは、コストパフォーマンスに優れた雲台である。飛翔する野鳥はもちろん、鉄道や飛行機の動きモノ、静止画、動画などの撮影に幅広く使えると思う。興味をもたれた方は、一度、カメラ店で手に取って作動を確かめて欲しい。以上^^;

『ユリカモメの飛翔(SH-837 HD使用)』



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